1億溶かしたマナオのマナマナマネー考察

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高齢化社会でも葬儀屋がもうからない理由とは・・・

無一文投資家のマナオです。

高齢社会で葬儀屋は儲かっている!!

そんな会話を職場で耳にしたもので

その真偽をたしかめるべく記事にしてみました。

 

投資のblogなので上場企業についても調べましたが、個別の企業についてはほとんど記載していません。

 葬儀の祭壇

 

 

日本の死亡者数推移

厚生労働省の平成 27 年(2015) 人口動態統計の年間推計によると2015年の死亡数は 130 万 2000人と推計されています。

2005年・・・108万3796人
1995年・・・92万2139人

高齢社会によって20年前と比べると年間の死亡者数は1.5倍近く増加。

葬儀費用の分析

葬祭ビジネスの市場規模

出典:http://www.yano.co.jp/press/pdf/1422.pdf

                    

葬儀費用について調べていくと少々不可解な数字が出てきました。
矢野経済研究所が出している上記の資料では、葬儀業界の市場規模が算出されているのですが葬儀・供養費を含めて2015年は1兆7000億円となっています。

これを死亡者数である130万人で割ると平均値が計算できます。
その結果、約130万円という金額が算出されました。
(資料から推測すると2005年は平均で約170万程度だろうか。)

しかしながらインターネット上ではほとんどのサイトで約189万前後の数字が全国の葬儀の平均値として紹介されています。この数字の根拠は日本消費者協会の会員1,024人中の「過去3年以内に身内に葬儀のあった人」で29.2%である294人の平均値。(2014年)
 (※上記調査では2010年で約200万円 2007年で約230万円という数字が葬儀費用の平均金額となっている)

 ちょっと待って!!
130万円と189万円では金額が1.5倍も違う!

うーーー。。(@@)//

 しかしながら、どちらの資料においても葬儀の平均単価は死者数に反比例して下がっていることは読み取れたわけです。

 

葬儀スタイルの割合

葬儀スタイル(規模)の割合 | エンディング・データバンク

葬儀のスタイルとしては一般葬と比べて費用の割安な家族葬と火葬式(直葬)が78%を占めています。

今は一般葬より家族葬を選択する時代になっているんですね。(家族葬の金額は業者によってかなり違いはあるものの、50万~80万程度といったところでしょうか。)

 競争激化による価格競争

葬祭業者はおよそ約7800社あるものそのほとんどが零細企業。
上場大手の専門企業もあるが近年はイオンや南海電鉄が参入し、競争が激化。

特にイオンやインターネットによる葬儀手配会社である小さなお葬式が業界に価格破壊を起こしています。というのも両社ともタブーとされてきた料金の明確化や、追加料金一切不要といったプランを武器に大幅にシェアを獲得しているからです。

小さなお葬式とイオンのお葬式は両社ともに追加料金不要の定額のセットプランを展開しています。

小さなお葬式とイオンのお葬式の比較

どっちがいいの?「小さなお葬式」と「イオンのお葬式」徹底比較! | サルでもわかる葬儀の新常識

上場葬儀業者

投資関係のブログなので上場葬儀業者についても触れておきます。
2344平安レイ 2485ティア 4656サンライフ 7578ニチリョク 9628燦HD
などがあるがどこも業績は横ばい状態。

単価が下がっているのを、件数で補っている状態。
それも新しい葬儀会館を建てたうえでカバーしているので、建設費がバランスシートを圧迫している傾向があります。

 業界として全国を網羅するような大企業は存在していないため、ビジネスチャンスはあるのでしょう。(それが他業種からの進出と価格競争を産み出している)
今後は地域の中小零細葬儀屋が減り、大手のみが価格競争の中で生き残っていくと推測します。

Q.葬儀屋は高齢社会で儲かっているか?

A.赤字ではないがもうかってもいない!

件数が多くなっているだけに利益率という観点からはむしろ年々悪化している状態といえます。

 メッセージ (2400)などの有料介護老人ホームのほうが収益力がある印象。大手小売業やインターネット企業の進出でかなり厳しい価格競争に巻き込まれている。

最後に・・・

個人的な見解となるのだが、平均寿命の伸びが一般葬⇒家族葬へスライドしてきた要因になっていると感じます。
若い世代や退職後間もない世代の死亡では一般葬を選択するケースが多い。
やはり社会と密接に関係があるからでしょう。

長寿になると、病気や体力面で社会やコミュニティからは少し遠くなる傾向があるように感じます。その結果、家族葬という選択をされるケースが増えているのではないかと考えました。

 

☆マナオの見解!

  1. 平均寿命の延びが、一般葬から家族葬へ葬儀スタイルを変化させている
  2. 多業種参入により価格面での競争が激化している
  3. 高付加価値ビジネスが薄利多売ビジネスへ変化している

 葬儀の小型化のトレンドは継続すると推測され、業界としての先行きは厳しい。